追い出し猫の由来
四百年もの間、語り継がれてきた宮若の守り。
勇敢で、こころやさしき猫たちの物語。
宮若は、昔からおいしい水と実り多い豊かな土地でした。
ゆえに、穀物を荒らすねずみを駆除するために猫を飼う家庭が多かったようです。
これは、四百年ほど前のお話です。
西福寺というお寺にたいそう猫好きな和尚さんが住んでいました。
あるとき寺に一匹の大ねずみが住みつき近隣を荒らして回りました。
とうとう和尚さんにまで危害が及ぶようになり、見かねた飼い猫が数百匹もの仲間を集め、大ねずみとすさまじい戦いを繰り広げたのです。
翌朝、息絶えた大ねずみと変わり果てた猫達の亡骸が。
そんな猫達を哀れんだ和尚さんがお墓を作りいつまでも手厚く供養し続けたそうです。
今でも宮若が豊かなのは、この猫達が見守っていてくれるからかもしれません。
追い出し猫は、この民話をもとに災いを追い出し、福を招く縁起物として作られました。
人から人へと口伝えに広がり、災い退散、開運招福のお守りとして親しまれています。